綿糸

何時手に入れたか覚えない程前に、近くの骨董市で手に入れた綿糸があります。丁寧に作られたボール箱に入った2種類の糸は、以前から気になっていて、織ってしまうには惜しくて、手元に置いたまま、時々手に取ってはどうしたものか思案しつつ、時が流れて今になり、昨夜も急に思いたってこれがどんなものか、娘に探してもらいました。少しだけわかったものの、今朝になって自分なりにもう一度と思いたち、検索してみました。

 

黄色の箱に入っていた糸は、イギリス マンチエスターのモスレーの紡績工場で作られた糸だという事が分かりました。1830年から40年にかけて建設された工場は今はアーティストスタジオとして利用されており、写真で確認すると空に向かって高々と伸びた煙突で、それとわかる建造物です。

 

青い箱に収まったごくごく細い糸は、調べると靴下用の糸で、スーパーコーマ綿と解説されています。イングランド ランカシャーに1905年に建設された綿花紡績工場バッツミル・リーとわかりました。エドワード朝時代の紡績工場の例として、国家遺産リストに登録されています。下3階はカーディング、上3階は紡績工場として操業していたことが分かりました。この糸を使ってしまっていいのか、残すことで意味があるのか、「残した方がいいわよ」と残すことに意義を認める友人もいて、ただ楽しみのために使い切ってしまうことに、さくら自身としても躊躇いがあるのです。