悲しい結末

昨日の事、前の日からきていた息子が「あれ? どこから来たんだろう」見ると雛を6羽連れたカモが、リヴィング前のお隣の小さな畑を行ったり来たり。我が家は少し高台で、前の家の2階のベランダが庭の高さと一緒なので、どこから来たのか家の近くの川に帰りたいらしいカモにとって、大変な高さです。川の方角を眺めては30分近くうろうろしていた親ガモが、6メートルほどの高さの壁をとび下りました。

雛たちは下から呼ぶ親に向かってピーピー啼き、畑の隅にある螺旋階段から下り始めました。あっという間に4、5羽のカラスが取り囲み1羽は連れ去られました。雛たちはそれぞれ鳴きやんだまま3メートルほどの石垣を飛び下りて、暫くじっと動かないまま時間が止まりました。カラスが飛び去り、親鳥は4羽を引き連れて隠れる所のない道路を帰って行きました。

気になって、息子と彼らの飛び下りた石垣の下を覗いてみると、足を痛めたらしい雛が1羽蹲っていました。川からは遠く、歩けない雛はカラスの餌になると思い、暫く経って動物病院に連れて行くと、「親は遠くで様子を見ていて連れに来るのだから暗くならないうちに川に行って親に帰すように」との事「そんな距離と事情ではないのに」と思いつつ河原で放してみると水に入って泳いでいます。ところが目を離したすきに川に流され、あっという間にカラスに連れ去られたのです。目の前でその光景を見てしまった息子は、がっかりした気持ちを抱えて帰って行きました。さくらは河原で摘んだ野の花を抱えて帰り、連れさられた雛への献花として庭の隅に飾りました。雛の生きた時間を思うと何とも言えない気持ちを抱える事となりました。


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