仲良しのSさんに頼まれた木綿のハンカチ、綿麻の糸を染めてみたい気持ちもあって、前日の買い物の折買い求めたニンジンの葉を刻んで、木綿のハンカチ、綿麻の糸2種類を染めてみました。昨日はSさんと隣町に手芸用品の買い物に出かけていたので、帰宅してから銅媒染してみると、思いがけないほどの色に染まって「あの緑はどこ?」という色に。それぞれが菜の花色、刈安色、黄はだ色に染まって緑が迷子になったと思いました。思いがけない色に気を取り直して残液で紬糸(ちゅうし)を染めてみることにして2枷を液に浸して一晩置いてみました。
朝になって銅と鉄でそれぞれを媒染してみるとうすく若葉色と松葉色に染まって、緑が見つかったと思えたのです。綿と麻は黄色に反応し、絹は緑に反応するのでしょう、染色は化学だと改めて思い知らされたことでした。こんなにはっきりと色の違いが分かった染の作業は初めてでしたが、マンセル色相環では黄色と緑は隣り合った色で、お互いを包含しあえる色だと納得(?)したのです。Sさんは若草色に染まったハンカチを待っているので、次に会う時には今回染めた全部の糸と一緒にもっていくつもりです。「えーっ」という彼女の顔がさくらの頭の中で浮かんでは消えています。