高機 Ⅱ

以前師事していた先生のお骨折りで、頼んでいた高機の行き先が決まり、今日配送業者の方が見えて、「織り機ですね、ほう! こうなるのですか」さくらが「どのような形状か聞かれて、説明のしようがなくて」というと「これは説明できませんね」「組み立てたままでは相当の配送料がかかりますよ」と言われました。部品ごとに、いくつかに梱包してある物を見て、「これならCです」「C?」「普通の梱包ということです」と言う事で思いがけず格安な配送料で引き取って行ってくれました。

部屋の隅に梱包して積んであった時には感じなかった、諸々の思いが湧いてきました。もっと早くに出会っていたら、もう少し充実感を持てたのかと思いつつも、この機との出会いはあの時しかなかったのだとも思えて、次に目を向けましょうと今織りつつある機に向かっています。I先生の許で指導を受けている次の持ち主なら、きっと有効に使いこなしてくれる気がして、さくらはさくらの機織りを楽しみましょうと、深呼吸をひとつ、座りなおして姿勢を正すのでした。


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