春になった日に

春分の日の昨日、東京文化会館小ホールで開催された”藤木大地カウンターテナーリサイタル”に行ってきました。昨年10月の荘村清さんのコンサートのゲストで出演していた際、やわらかで伸びやかな声に魅了されました。もちろん表現力も魅力的で、たまたま新聞で今回のリサイタルを知りチケットを手配したのです。

寒さの続いていたこのところの陽気を気にしていたのですが、思いがけず暖かな日になって、午後3時開演はこの時期にはありがたいものでした。曲目は昔懐かしい曲も多く、「春の小川」「叱られて」「行く春」などなじみ深い曲とともに谷川俊太郎岸田衿子加藤周一などの作詞によるものなどがありましたが、中でもやはり一番聞きかった「死んだ男の残したものは」は何度でも聞きたい1曲で、世界の指導者たちに聞いてほしい静かな、でも強烈な反戦歌です。この1曲を聴くためにここに来たと思える時を味わいました。春になった最初の日を楽しんだ1日、まだ明るさの残る上野を後にしました。


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