清明

これからの2週間程を「清明」というのだそうです。「すべてが清らかで汚れなく、明るく生き生きとしている事を表す」と説明されています。この時期の初めの4、5日は七十二候では「玄鳥至」つばめきたるとありました。そして4月は「卯月」卯の花が咲く季節です、我が家のささやかな庭でも、姫空木の蕾が膨らみ始めました。梅花空木は雪のあとこじんまり剪定したためか、やっと芽吹き始めたところですが、植えっぱなしのチューリップ、この春植えこんだサイネリア、薔薇の紅い新芽、球根類の伸び出した角のような葉を見ていると、あー春だと元気をもらえる気持ちになるのが不思議です。

世の中は桜の季節、1輪咲いてはまだか、5輪咲いたので開花宣言と桜にとっては迷惑な話ですが、こんなにも待たれる花もないな、と思いながらニュースを見ているさくらも、織りの手を休めては、我が家のリビングからあそこの桜が咲いた、こっち山桜が開き始めたと、勝手なことを言っては愛でているのです。

若い頃は染井吉野が好きでしたが、葉と花が一緒に咲き始める様子が好きで今は山桜派です。出始めの山桜の葉はさくらが染める桜染めの色です、そしていつも思うのは、着物の柄の桜は山桜だということです。「道成寺」の着物や帯はしだれ桜ですが華やかさ、可愛らしさの演出にはしだれ桜なのでしょう。我が家の近くの小さな公園に若木のしだれ桜が2本、大きな欅を挟んで植わっています。今年も濃い紅色の小振りの花を咲かせて目を楽しませてくれています。あどけない子供の雰囲気が感じられて、もう少ししだれたままの枝を見て見たいといつも思うのです。


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