伊豆から帰ってすぐに梅雨に入り、ひと月の疲れからか、珍しく風邪をひいて、このところ体の芯のだるさが抜けないでいます。伊豆からの連絡で友禅作家のSさんからコースターの依頼があり、10枚程を織る事にしました。以前織った藍染の糸はもうないので、探し当てた手持ちの糸は、細い糸を10本取り程の藍色の糸でした。経糸には太すぎるので、3本ずつに糸を分ける事にしました。2メートル程度に切った糸を、3本取りの糸に分けるのは手間のかかる仕事ですが、残っていた糸に光の当たる場を見つけたようで、うれしくもあります。

緯糸は麻です。糸になっているのではなく、麻その物で、骨董市で見つけたそれは、刻んで土壁に混ぜる物で、麻を混ぜ込むと、藁と違って壁にひびが入らないとの事でした。土蔵一つ分の中身を買い取り、そこに放り込まれていた麻を、骨董市に出したとのことでした。埃だらけの麻を洗って置いたのを、裂きながら織りこんでいくのです。以前その麻で8m程の布を織り、暖簾に仕立てた事がありました。なかなか好評で、もう一枚と言われて久しいのですが、丁度よい経糸用の糸に出会えなくて、そのままになっていた事を思い出された糸作りになりました。


f:id:sakura1944:20210703140519j:plain:w250