隣のカボチャ

畑のおじいちゃんをあまり見かけなくなった今年の夏。おばあちゃんが時々草取りをしていて、おじいちゃんは苗つけの時だけ見かけるようになりました。キュウリもジャガイモも収穫が終わった後で、カボチャの苗が植えられました。夏の暑さが大好きなカボチャは、小さな畑に自在に蔓を伸ばして大きな黄色い花がそちこちで虫を誘っています。成長も早く見る間に伸びているように思うほどです。我が家のフェンスとネットの間にも蔓が伸びてあっという間に花が咲き、しぼんだ花の下に小さな実がついて育ち始めています。ちょっとの楽しみとちょっとの不安を感じながら元気な蔓の行方を見守っています。

 

先週の日曜日、新聞の歌壇に目を通していて、久しぶりの投稿者の名前を目にして、思わず4人の選者が選んだ短歌の中になじみの投稿者の名前を探しました。

空低く水銀色の雲が行く昨日と同じ今日の懲役   十亀 弘史

独房は三階にあり目覚めれば夜具の足先白い明星  十亀 弘史

服役中の十亀氏の歌はさくらの心をいつも捉えて、ずいぶん前から新聞が届くと他の常連の方々の名前と一緒にその名前を探してしまいます。もう一人アメリカで服役中の郷氏の歌にも心打たれて心待ちにしていたお一人ですが、歌壇で目にしなくなってから久しく、高齢でもあるのでお元気でいられるのか案じられる方でもあります。