少しの緑も惜しくなって

冬枯れの季節が近づいてくると、普段食べている野菜の小さな芽も惜しくなって、キッチンの出窓に、捨てがたかったニンジンとゴボウの切れ端を水に浸しておいてあります。ニンジンは小皿で少しの水を糧に糸のように細い葉を伸ばし、ゴボウは小さな香辛料の空き瓶の水に浸って、濃い緑の葉を広げ始めています。アイの苗を育てていたプランターには、暫く前に食卓に乗せた根付きのセリが植えてあって、出窓の下で葉を伸ばしています。朝からの厚い曇り空を眺めていると、小さな緑が一層嬉しくて眺めています。

昨日のウォーキングついでに、いつもの寺院に行ってきました。仲の良かったIさんとその長男の方、小さいうちに生を絶たれた知人の女児が同じ寺院に葬られているので、詣でた時はいつも二つのお墓参りという事になるのです。息子も娘も3人を知っているので、正月の3人での散歩のおりは自然に足が向いて、新年の習慣のようになっていますが、さくらは師走の落ち着かない空気を払うように、この時期になると足が向く場所です。二つのお墓に手を合わせると、静かな気持ちになって、今ここにいられることへの感謝が湧いてきます。


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