赤貧

「赤貧」という言葉を久しぶりに目にしました。日曜日の朝日歌壇に出獄前の十亀 弘史氏からの投稿があり、「赤貧とコロナの中へ出獄す失うものを持たぬ青空」と歌われていました。これからの生活の大変さも、縛られない自由さも何もかもが入り混じった世界へ出ていく覚悟と期待が感じられ、他人事ながら氏のこれからの人生を祝福したいと思いました。

 

朝日歌壇には土亀氏以外にもさくらがいつも投稿を待っている何人かの方々がいます。今回はその方々3人の歌が取り上げられていて、嬉しく読ませてもらいました。

   お風呂より聞こえる子らの笑い声

           ほくろをつなげば星座になるらし

                           山添 聖子

   冬休み明けラテン語の先生の声は今年も低くつややか

                           松田 わこ

   澄みわたる真冬の空の水色を抱きしめる卒論提出日

                           松田 梨子

投稿者の方々の生活が想像できる短歌で、いつもほほえましく勝手に応援団の気分で読ませてもらい、且つ楽しませてもらっているのです。

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