引き取った糸を

まだおりひめ工房に通っていた頃、先生が施設に入られておりひめ仲間が協力して作品展を開催していました。地域の広報誌などにも開催のお知らせなどしていたので、以前通っていた方やその関係者の方なども目にしてくださりいつも盛況で、疲れはするものの楽しく勉強になる作品展でした。その折に使わなくなった機の相談があり、たまたまさくらの住まう沿線の方だったこともあり、息子の車の都合がついたので機と糸を引き取ってきました。引き取った糸はほとんどが持ち主が染めたらしい草木染の手引きの絹糸で、普段さくらはウールや木綿などがほとんどで、絹は紬糸(ゆうし)と言って糸を引くときに出た綿を使って引いた糸を使うことが多く、反物にするような糸は残糸でしか使ったことがないのです。

 

きれいな手引きの糸はなかなか使う機会が無くて、今まで手を付けずに来てしまいました。すぐ使えるように枷から玉巻にしたり木枠に巻いておきましょうと昨日から巻き始めましたが、絹糸は風邪をひくと言いますが、染めたまま、枷のままの糸は糸同士が絡んでいて、捌いてもなかなか捌けず綺麗な糸がプツプツ切れてしまい、捌いて糸をつなぐ作業が巻く作業より時間がかかって、一束巻くだけで大変な時間がかかり、午後の時間で2束巻くのが精いっぱいという有様です。暫くの間は糸の整理、織布の整理で時間を費やすつもりです。今日は台風は去ったもののまだ風雨は収まってはいない状態なので糸仕事に励むには丁度よく、今も突然降りだした強い雨を眺めながら糸を手にしています。