芭蕉布物語

ネットで偶然目にした『芭蕉布物語』の復刻版を、書店に注文しておいたところ、昨夜入荷の連絡が入ったので、早速取りに行ってきました。昭和17年8月、柳宗悦が日光中禅寺湖畔で執筆したと記されています。松井健の「芭蕉布物語 解題」が付されていて、現代の人々に優しい装丁になっています。

「今どきこんな美しい布はめったにないのです」で始まる『芭蕉布物語』は、氏があの時代にいかに工芸の衰退に目を向けていたが分かる書物です。その奥附に「猥に復刻すべきに非ず」と記されています。新版として復刊された事で、「芭蕉布物語 解題」が付されたことで、現代文化に対する批判という事が明確になり、さくら自身を振り返る機会を得た思いも持てた1冊でした。