気にしながら

二年ほど前に伊豆のSさんに「パンツを1本欲しいのだけど、少し青味の、素材は何でも」と頼まれていました。「糸が探せれば」「織るだけが好きなので」「縫うのが苦手で」といつもの断り切れない言葉で何となく引き受けたことになってしまっていました。義姉にも「糸が見つからずなかなか思うようにいかない」と話しましたが、とうとう先日義姉から電話が来てSさんが「さくらさん忘れていないかしら」と言っていたこのこと。いよいよという気持ちで泥縄で機に向かっています。昨年の夏の終わりに、クズの枝葉で染めた3種類の糸、染めながらSさんのパンツ用の布になるかもと思いつつ染めたのです。半年経ってそろそろ織ってもいい頃かと取り出して玉巻しました。抹茶色の濃淡に染まったそれぞれの糸と手元にあったごく細い同じ抹茶色の少し濃い色の糸を合わせて織り始めました。4メートル強の布を織るのは少し時間がかかりそうで「頑張っています」と言う気持ちで機に向かう毎日です。

 

剪定したブルーベリーの枝で染めた木綿の糸、夏に染めた時は黄色系の色に染まり、何回か染めていました。草木染のブログで2月の剪定枝で染めると赤味の色になることを知って、「今じゃない」と早速リビング前のブルーベリーの新梢で染めてみました。かなり濃く染まって遊び部屋でこれから半年ほどは寝かせるつもりでハンガーに掛けてあります。思いがけずの煉瓦色で、やはり思っていた通りとはいきませんでしたが、それなりにいい色だったと自己満足の色合いではありました。さくらが見たブログでは鉄媒染で紫系統の色だったのですが「今日はこの色」なのです。来年は鉄媒染してみようと思ったブルーベリーの草木染体験でした。

 

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春が来た

昨日の午後は暖かな日差しに誘われて気になっていた猫ヒタの手入れをしました。枯れ葉とシジュウカラ用のヒマワリの種の殻を片付けました。秋に植え込んだヒヤシンスが芽を出し、秋に株分けして植え替えたクリスマスローズがようやく咲き始め、今年は咲かないのかと思っていたフクジュソウも目が覚めるような黄色い花を開き始めました。このところシジュウカラとハトは人気がない猫ヒタで長いこと餌を啄み、水を飲むと温まった庭石の上でハトはのんびり日向ぼっこをしています。暑さの夏を無事乗り越えて粗末な手作りの温室で冬越ししたシクラメンもやっと開花時期を迎えました。昨日は隣の畑の隅の柿の木にコゲラが番で餌をさがしてしばらくの間トントン音を立てて上下していました。時々姿を見せてくれるコゲラはトントンと言う音で気がつくくらいで目立たない鳥ですが、白黒の羽と丸い姿がかわいらしく目を楽しませてくれます。

 

朝からの北風を押してウォーキングがてらのお使いに行ってきました。いつもの川も季節を知ってカモが4、50羽ほども泳いでいます。北口開発の手が入っている駅近の土地も次々に手が入り始めて、日々ウォーキングの楽しみがなくなっていくのが残念です。古い西洋館も教会もさくらが楽しみにしていた風景が少しずつ変わり、気がつくとその風景に慣らされている自分に気付くのです。以前の景色がどのようであったかも忘れて今になじんでいる自分が少し悲しく残念に思いつつ歩くことがしばしばです。

 

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平和な日常だからこそ

北京パラリンピックが開催されているにも関わらずウクライナ侵攻を続けているプーチン大統領。日々のニュースが理不尽なウクライナ侵攻のニュースで溢れて、ロシアのと言うよりプーチン大統領の一方的な言い訳染みた侵攻に対する理由付けを見聞きするたびに、言いようのない嫌悪感を持ってしまうのはさくらだけではないでしょう。クリミア半島併合の際も感じた思いは、今回もプーチン大統領の個人的理由に他ならなかったという同じ理不尽さをもってさくらの胸の裡をかき乱しています。

 

平和な日常を送れているからこその短歌を新聞の朝日歌壇の中に見つけました。常連の姉妹と親子の方々のそれはさくらだけではなく、時々の常連の方々の投稿歌にも表れていて「あー みんな見ているのね」といったほのぼのとした、嬉しいような気持ちが湧いてきます。そうした中の今日の2首は詠み人の家族の様子を垣間見ているような親子の投稿でした。

 

初めて夫が短歌を詠んだワクチンの三回目副反応の夜  

                        山添 聖子

弟が父に短歌を教えてた「ならったかん字はぜんぶつかいや」  

                        山添 葵 

 

始めて詠んだ短歌はどんな漢字を使った、どんな歌だったのでしょうか。

 

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ウクライナの事

2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻、何のコメントもしようがない程の軍事侵攻に世界中の注目が集まっています。さくらにはプーチン氏がロシアの為にを口実にした私欲のために侵攻しているように見えます。若い頃に耳にしたフォークソングの一節が蘇ってきました。「死んだ男の残したものは」谷川俊太郎作詞、武満 徹作曲のこの歌は小さかった娘の心にも訴えるものがあったのでしょうか、一人でお留守番の時に繰り返し聞いていた姿を思い出しました。「死んだ男の残したものは」で始まる歌詞の2節目はそれぞれ「一人の妻と 一人の子供」「しおれた花と 一人の子供」「ねじれた足と かわいた涙」「こわれた銃と ゆがんだ地球」最後に

死んだ彼らの 残したものは

生きてる私 生きてるあなた

他には誰も 残っていない

他には誰も 残っていない

 

プーチン氏は自分以外の人間の死によって自身だけが残ることを望んでいるのでしょうか。

 

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誕生日に

昨日はさくらの誕生日でした。前日に息子から電話が入って「明日はケーキを食べるの?」令和になって天皇誕生日がさくらの誕生日と重なることになり、祝日という事もあって息子が午前中に帰ってきました。我が家の周囲にケーキ屋さんを見かけなくなって、近くのデパートに出店しているケーキ屋さんも駅の改札口近くに昔からあるコージーコーナーも特別感がなくなり、息子の誕生日の元日に開店しているケーキ屋さんをネットで探したところ、二駅隣の市内のケーキ屋さんを見つけました。元日の午後にお願いしておいたチーズケーキが美味しかったので、子供たちがさくらの食べたいものをと車でお店に行きました。程よい大きさの美味しそうなリンゴのパイが目に入り、お正月のチーズケーキのお礼と共に持ち帰りました。娘からはミカン色のスプレーバラとカスミ草のブーケのプレゼントをもらい、感謝の誕生日でした。パイはあっさりしたパイ生地が口どけ良く、夕食後のデザートに程よい甘さが口中に広がって満足の味わいでした。

 

今朝も北風が冷たい朝です。明日からは3月並みの暖かさと言う情報に期待して、烈がいなくなった後のお掃除をと考えています。さくらの遊び部屋は取りあえずの物置部屋になっているので、糸の整理も兼ねて大掃除状態になりそうです。北風の中、シジュウカラ頻りにヒマワリを啄みに来ています。ハトの番は毎日仲良く猫ヒタを訪れ、昨日はベランダの手すりで寛いでいました。ベランダの屋根に巣作りされないように気をつけなければと思っています。「デデッポー、デデッポー」と鳴くくぐもった声は、遠くから聞こえている時は気にならないものの、ベランダの屋根からの声はご遠慮願いたいところです。「猫ヒタに来るのはいいけど、巣作りは他所でね」との思いを込めて眺めています。

 

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やっと

2か月弱預かっていた老猫の烈、土曜日に息子が迎えに来てやっと自宅に帰っていきました。我が家では常に家人がいて暖かなリビングで日がな一日回転椅子で寝ているような生活ですが、息子との暮らしではほぼ毎日寒い家の中で彼のベッドに潜り込んでいるのではないかと推測されます。まだまだ寒い時期なので「元気でね」と言う思いで送り出しました。猫一匹の存在の大きさを改めて思った2か月弱の烈との生活でした。

 

「手作りのお店 コスモス」のSさんが早い時間に訪ねてきました。新型コロナの感染がまだまだ落ち着かない今らしい理由で今日から3月一杯お店を休むとの事、さくらの身近な人々の中には感染者はいませんが、Sさんの周りでは気がかりがあるとの事、暖かになるまでの間に落ち着いた状況になることを願って作品つくりに精を出すことを約束しました。我が家ではこれから烈が帰った後の掃除が待っています、猫の毛は硬くて柔らかな布には刺さるのでその掃除には手間がかかります。烈がいる間飾ることができなかった雛飾りも小さなものだけを飾って少しだけ春が近づきました。

 

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日々変化

ほぼ毎日の散歩道はほとんど変化なく、川沿いから国道の交差点を渡って駅の北口にある駐輪場を通りすぎると駅の改札口への階段を上がります。駅の北口は30年以上も前から北口開発の計画を聞いていましたが、最近になって急にその計画が進行してきた気配です。駐輪場の隣の林に手が入り始めて大木もあっという間に切り倒されて藪もすっかりきれいに刈られました、日々整地されていく様子に目を見張る思いです。林の奥にあった大きなお屋敷も、駐輪場の入り口にあった2件のお宅もあっという間になくなりました。さくらは毎日のんびりと来年もノバラの実もクサギの実もここに採りに来ようと思いながら歩いていたのです、今日は改札口への階段を上がって何もなくなったもと林だった更地を眺めました。遠くに連なる山々の景色が今日は寂しく見えます。

 

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